「病院とクリニック、実際どちらが働きやすいのだろう?」
理学療法士として働いていると、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
私自身、回復期病院や総合病院を経験した後、整形外科クリニックへ転職しました。
転職前は、
- 院内の委員会活動が少なくて楽そう
- 整形外科を深く学べそう
- 残業が少なそう
というイメージを持っていました。
しかし実際に働いてみると、想像していたこともあれば、良い意味でも悪い意味でもギャップを感じたこともあります。
この記事では、理学療法士として15年以上働いてきた経験をもとに、病院からクリニックへ転職して感じた5つの違いを紹介します。
病院勤務を続けるか悩んでいる方や、クリニックへの転職を考えている方の参考になれば幸いです。
私が病院からクリニックへ転職した理由
私がクリニックへの転職を考えた理由は、整形外科領域をより深く学びたいと思ったからです。
病院では脳血管疾患や内部障害、術後患者など幅広い症例を経験できます。一方で、整形外科疾患に特化して学ぶ時間は限られていました。
クリニックでは整形外科疾患が中心になるため、
- 肩関節疾患
- 腰痛
- 変形性膝関節症
- スポーツ障害
などを継続的に担当できます。また、委員会活動などの院内業務が少なく、自分の業務に集中しやすいことも転職理由の一つでした。
病院からクリニックへ転職して感じた5つの違い
① 患者層が大きく異なる
病院勤務時代は、
- 術後患者
- 脳卒中患者
- 内科疾患を併存する患者
など、比較的重症度の高い方を担当することが多くありました。治療内容も、動作練習や離床練習など、ADL(日常生活動作)の獲得に向けた介入が中心でした。
一方、クリニックでは外来患者さんが中心です。例えば、
- 腰痛
- 肩の痛み
- 膝の痛み
- スポーツによるケガ
などです。関節や筋肉の状態を評価し、徒手療法を行う機会が増えました。症状の改善だけでなく、「再発や増悪を防ぐためにはどうするか」という視点がより重要になります。
② 単位数への意識が想像以上に強い
私が最もギャップを感じた部分の一つです。
病院でも単位管理はありますが、クリニックでは経営と単位数がより密接に関係しています。
職場によっては、
- 1日20単位以上
- 高い予約稼働率
が求められる場合もあります。
転職を検討する際は、
- 平均単位数
- 残業時間
- 予約枠
を見学や面接で確認しておくことをおすすめします。
③ 医師との距離が近い
クリニックへ転職して良かったと感じた点です。
病院では医師との連携に時間を要することがあります。一方、クリニックでは医師との距離が近く、
- 画像所見の確認
- リハビリ方針の相談
- 注射後の経過共有
などがスムーズに行えることが多いです。整形外科を深く学びたい理学療法士にとっては大きなメリットだと感じています。
④ 一人が担う役割の幅が広がる
書類作成や備品管理、後輩・スタッフへの指導といったリハビリ以外の業務自体は、病院でもクリニックでも共通して発生します。
ただし、クリニックは人数が少ない分、こうした業務を複数人で分担するのではなく、一人が広く担当することが増えました。例えば、
- 院内業務の改善提案
- マニュアル作成
- 新人・スタッフへの指導
- 備品管理
などを、ローテーションではなく継続的に担うことが多くなりました。リハビリ技術だけでなく、職場全体を良くする視点が求められると感じています。
⑤ 働き方が大きく変わる
クリニックへ転職して感じたのは、委員会活動や研修といった院内業務がないことです。
ただし、拘束時間内は単位数を満たすためにリハビリ業務で埋まることが多く、カルテの記載は時間外に行うことが常態化していました。そのため、委員会活動がなくなった分、残業が減るというわけではなく、残業時間自体は病院時代と変わらない、あるいは多いと感じることもありました。
また、
- 土曜勤務
- 外来時間に合わせたスケジュール
- 患者数による忙しさ
など、病院とは異なる特徴もあります。給与だけでなく、自分がどのような働き方をしたいのかを考えることも大切です。
実際に転職して良かったこと
私が感じたメリットは次の4つです。
- 整形外科疾患を深く学べる
- 医師との距離が近い
- 患者さんを長期的にフォローできる
- 委員会活動などの院内業務が少なく、自分の業務に集中しやすい
特に、患者さんの症状改善を長期間追えることは外来リハビリならではの魅力だと感じています。
一方で大変だったこと
もちろん良いことばかりではありません。私が感じたデメリットは、
- 単位数へのプレッシャー
- 経営面を意識する機会が増える
- 業務範囲が広い
ことです。そのため、「整形外科を学びたい」「患者さんと長く関わりたい」という人には向いていますが、「幅広い疾患を経験したい」という人には病院の方が合うかもしれません。
病院・クリニック、それぞれ向いている人
病院勤務が向いている人
- 急性期や回復期に興味がある
- 幅広い疾患を経験したい
- 多職種連携を学びたい
- 将来的に専門分野を探したい
クリニック勤務が向いている人
- 整形外科が好き
- 外来リハビリに興味がある
- 患者さんと長く関わりたい
- 委員会活動などの院内業務が少ない働き方をしたい
まとめ
病院とクリニックには、それぞれ異なる魅力があります。私自身、どちらも経験したことで理学療法士としての視野が広がったと感じています。
転職を考える際は、給与や休日だけでなく、
- 学びたい分野
- 働き方
- 将来のキャリア
も含めて検討することが大切です。見学や面接を活用し、自分に合った職場を見つけてください。
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